第25回品質工学研究発表大会(RQES2017S)へのお誘い

大会実行委員長 小池昌義
 

  今年の品質工学研究発表大会は,品質工学会が任意団体から一般社団法人になって初めての大会であり,新たな船出の大会となります。学会設立25周年をきっかけに,法人として新しい理念のもとで行動指針を明確にした船出を飾る大会となるでしょう。
 今年の大会テーマは「あらゆる分野に評価でイノベーションを」です。いろいろな技術分野,社会,企業・団体で改めて評価の方法と内容を見直し,合理的な評価を確立することによって,社会の仕組みや仕事の進め方が変わります。仕事だけでなく,個人としての技術者の“シコウ”(思考,指向,志向,…)も変わります。田口玄一は,社会の生産性を上げ,そのことによって社会の自由の総和を拡大させることが,技術の役割であるとして,その役割を果たすための方法論として品質工学を提起しました。今,品質工学の原点と目指すところを再認識して,新たな技術力を獲得し,社会の生産性を上げていくことが望まれています。
 1日目午前には,会長,副会長が法人としての決意を表明し,方針を提起します。2日目午後には,実行委員会が企画したパネルディスカッション「働き方を変える品質工学 -品質工学で鍛える技術者の“シコウ”力-」の中で,品質工学を知ることによって変わった,あるいは変わろうとしている技術者を知ることができます。
 大会の2日間,83件の研究発表と討論の中で,新しい品質工学を見つけて下さい。周りの方々を誘い合わせ,一緒に参加されることを期待します。

研究発表・討論の進め方

 今大会は83件のテーマが集まりました。昨年は93件であり,ここ数年100件弱での安定した申込み件数を推移しております。今大会は法人としての再出発にふさわしい大会とすべく,さまざまな企画を検討しています。発表申込をもとに,日程,会場およびこれまでの経験を考慮し,セッション構成,大会企画など,参加される皆様にご満足いただける大会となるよう検討した結果,実行委員会では次のような形を考えました。
 発表の形式は,今大会も壇上発表とポス夕一発表となります。大ホールではマクロ視点に通じる「全体最適化」,品質工学の原点ともいえる「機能性評価」,品質工学の広がりを感じさせる「社会とくらし」,近年注目されている「バーチャル設計」の4つのセッションを設け,昨年まで行っていた「セッション論説発表」を中止する代わりに,各発表に対する議論を深めてもらえるよう,発表15分+質疑応答15分で1セッション3件としました。また,小ホールは,例年と同じく発表15分+質疑応答10分で1セッション4件の発表としました。
 ポスタ一発表は展示ホールを使い,4会場で行います。例年と同じく,議論のポイントを提示するための発表10分+質疑応答5分のオーガナイズドセッション(OS)の後に,発表者と参加者が自由に討論する自由討論時間を設けました。
 発表会場は1日目,2日目ともに6会場となりますが,壇上,ポスターいずれの形式においても活発な討論が行えることを第一に考えました。参加者の皆様のご協力で活気あふれる大会になることを実行委員会では期待しております。

表彰式ならびに受賞記念講演

 大会2日目に,品質工学会貢献賞,品質工学会日本規格協会理事長賞,品質工学会ASI賞,精密測定技術振興財団品質工学賞論文賞,品質工学研究発表大会実行委員長賞,品質工学研究発表大会品質工学会会長賞および精密測定技術振興財団品質工学賞発表賞の表彰式を行います。
 また,大会1日目には精密測定技術振興財団品質工学賞論文賞および品質工学会ASI賞の受賞記念講演を行います。

特別講演および特別企画

 大会1日目の午前中に,品質工学会会長および副会長による特別講演「あらゆる分野に評価でイノベーションを」を実施します。
 また,2日目午後には大会実行委員会による特別企画として「働き方を変える品質工学 -品質工学で鍛える技術者の“シコウ”力-」と題したパネルディスカッションを実施します。
 皆様のご参加と活発な議論を期待しております。